子ども和算 江戸時代からの挑戦状

『和算』とは、明治時代に西洋数学が入ってくるまでの日本独自の数学、特に江戸時代の数学を指します。江戸時代初期に『塵劫記』(じんこうき)という数学書が発行され、200年以上にわたって、類似本がいくつも発行されるほどのベストセラーとなりました。武士などの特権階級だけが和算に携わったのではなく、農民や商人・職人など一般庶民も、更には、女性たちや子どもたちにもブームが広がっていたのです。また、江戸などの大都市だけでなく、日本全国に和算塾が開かれるほどでした。また、『算額』と呼ばれる、数学の問題や解答をきれいな絵入りの額にしたものが、日本各地の寺社に奉納されました。このような数学の広がり方は、世界的にも珍しいもので、このような一般庶民の数学的素養が明治以降の発展に大きく寄与したと言われています。江戸時代は、ヨーロッパの数学が中国経由でしか入ってこなかったので、西洋数学とは独自の発展をしたにもかかわらず、同時代のニュートンやライプニッツなどの数学者にも劣らない研究をした人たちもいます。  ここでは、『塵劫記』などを参考に、子ども向けの内容にした問題をいくつか出したいと思います。

塵劫記(吉田光由 著) &  算額(大垣市 明星輪寺)


第1問 五助と与平の栗拾い

第2問 団子は何個?

第3問 三人兄弟の土産

第4問 油分け

第5問 石段は何個?

第6問 図形の面積は?