■ 第7回 ■ 2けたの数のかけ算の暗算

スーちゃん、十の位が1の二けたどうしのかけ算、例えば、
 17×14
 のかけ算を暗算でできる?

  

ううーん・・・、ひっ算ならできるんだけど・・・。暗算では無理だよ。

  

インド式の九九なの?

実はね、こんな計算でできるんだよ。
 (17+4)×10+7×4

  

ええーと、21に10をかけて210で、7×4が28だから、合わせて238だね。

  

本当にこれでいいの? ちょっと筆算で計算してみる。・・・・・・本当だ、合ってる!

これはね、一方の数に他方の数の1の位の数を足して、その合計を10倍し、それに、1の位の数どうしの積を足しているんだよ。

  

なぜ、こんな計算で答えが出るの?

  

文字式を使えば証明できそうね。
 (10+a)(10+b)が、10(10a+b)+ab になればいいのね。でも、スーちゃんには無理ね。どうやって説明したらいいのかしら?

それじゃあ、17×14 を図のような長方形の面積で考えてみようか。全体の面積が、17×14 になるよね。これを、10と7、10と4で分けて、4つの長方形に分割するよ。それから、左下の 4×10 の長方形を、くるっと回して、10×17の右にくっつける。



  

あっ! 上の3つの長方形を合わせた面積が、
 (17+4)×10 になるのね。

  

下に残った長方形が、 7×4 になるんだ。だから、(17+4)×10 と 7×4 を足せばいいのか!

そうだね。それじゃ、次の計算は暗算でできるかな?
 83×87
10の位は同じで、1の位の数の合計が10になる場合だよ。

  

こんなのできっこないよ・・・

マッシーはどう?

  

文字式だったら、 (10a+b)(10a+c) で、 b+c=10 の場合ね。でも、さっきみたいに面積で考えてみようっと。



  

こんな感じね。 上の3つの長方形が、
  80×90 で 7200
 下に残った長方形が、 3×7 で 21だから。合計が 7221 だ。

そうだね。こんな計算をしているんだね。
 8×(8+1)×100+3×7
つまり、 10の位の数とそれに1を加えた数の積を100倍し、1の位どうしの積を足すんだね。1の位の合計が10になるから、こんなうまい計算ができるんだね。100の位以上の部分は、8×(8+1)×100 でできるから、結局、 8×(8+1)=72 の後ろに、10の位以下の 3×7=21 をくっつけるだけでいいんだよ。

  

本当だ、九九を2回やるだけでできちゃうよ。

それじゃあ、次の計算を暗算でやってみて。

【問題1】 (1) 16×19   (2) 15×15

【問題2】 (1) 48×42   (2) 74×76

 *答は表示しません。自分でやってみてください。

第7回